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医療法人

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頭痛の減らし方、注意:このページ内容の無断引用はご遠慮ください


おかげさまでアクセスの多い人気ページとなっていますが、イラストを含むこのページ内容の無断転用及び無断転載並びに正当な範囲を超える引用は違法となりますのでご注意ください。この内容を引用される方はこちら

はじめに:頭痛薬だけが頭痛の治療ではないかもしれない
もっとも多い肩こり頭痛
緊張性頭痛は「脱緊張期」に多い
典型的な肩こり頭痛のケース
仕事だけでなく、非日常的な遊びも頭痛の原因になる
朝寝坊すると頭痛がする。「長時間寝ると悪い」という誤解
では毎日どのくらい休息・睡眠をとればよいのか
生活スケジュールの見直し
中高年になってからおこってくる肩こり頭痛
強い肩こり頭痛に伴う自律神経症状
これでも頭痛が減らない方々は..


頭痛の減らし方: 大人の慢性頭痛 
頭痛の減らし方: 小児の慢性頭痛 


日本頭痛学会専門医名簿 福岡県分
 福岡市は以下の5名です(2017年6月現在、日本頭痛学会認定専門医名簿より)
 
菊池 仁志 医療法人財団華林会 村上華林堂病院 神経内科
稲村 孝紀 医療法人 稲村脳神経外科クリニック 脳神経外科
高橋 禎彦 医療法人高橋脳神経外科 脳神経外科
坂本 英治 九州大学  歯科麻酔学講座
吉良 潤一 九州大学大学院医学研究院 神経内科学

はじめに:頭痛薬だけが頭痛の治療ではないかもしれない


ここでは、頭痛関連学会でまず取り上げられる国際頭痛分類の話はしません。開業して15年で頭痛患者さんたちから聞きとった話をもとに、「なぜ、どんなときに頭痛がおこるのか」「どのようにすれば頭痛の頻度・程度を減らすことができるのか」という話を中心にいたします。

生まれた時から頭痛がある人はいません

人生のどこからか、頭痛が時々おこりはじめ、頭痛の頻度・程度がだんだんひどくなり、生活に支障をきたすようになっていることが多いようです。開業して15年以上経過しましたが、たくさんの頭痛患者さんが来院されています。頭痛にこまって、初めて医療機関を受診する人もいれば、あちこちの病院を回った後に来院される方もおられます。
頭痛が起こったときに頭痛薬を飲んで痛みをなくすのも治療ですが、「頭痛がおこってから痛み止めを使う」ことよりも「頭痛を起こらなくする」方が大事なことです。そもそも痛みがおこらなければ痛み止めも必要ありません。「頭痛を起こらなくする」ためには頭痛の分類も大事ですが「なぜどのような時に頭痛がおこるのか」ということを掘り下げないと、頭痛をおこらなくすることはできないとも言えます。

ここではEvidence based medicine(EBM)に基づく医学的話から少々脱線するかもしれませんので、偉い頭痛の先生に叱られるかもしれませんが、「頭痛がおこるのをを減らすため」にご容赦願います。
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もっとも多い肩こり頭痛

もっとも多い頭痛は緊張性頭痛、いわゆる肩こり頭痛です。また、頭痛分類による「前兆のない片頭痛」に緊張性頭痛が混在することはよくあることで、「前兆のない片頭痛」患者さんでも30%ぐらいは肩こりの自覚があるといわれています。頭痛の基本形?ともいえます。

肩こりは病名・疾患名ではなく、主観的な症状名です。解剖学的には頸部から背部にかけて存在する、後頭骨周囲筋、菱形筋、肩甲骨周囲筋、脊柱周囲筋などに自発痛・圧痛を感じることをいい、その原因として過労・寒冷・運動不足、姿勢・眼精疲労などいろいろなことを言われます。

強い不快感・痛みを生じる「肩こり」ですが、なによりも精神的緊張の関与(交感神経系)がもっとも多いようです。精神的緊張が慢性の交感神経緊張をもたらし、頸部・背部筋群の慢性緊張をひきおこすようです。頭痛の原因がストレスや肩こりと言われても、ストレスがどのように肩こりや頭痛を引き起こすかを説明されて理解できないと頭痛の頻度は下がりません。

頭痛の原因がストレス・肩こりと説明されるだけでは不十分

ストレスで肩がこったり頭痛がするのは医師でなくても知っています。

頭痛で受診しても、検査をするだけで「異常ありません。片頭痛ですね。ストレス・肩こりでしょう。薬を出しましょう。」と言われるだけでは、頭痛の説明にはなっていませんし、患者さんの頭痛は減りません。


頭痛の原因をきちんと説明してくれる医療機関へ

どうしても頭痛で困るときには、
それぞれの患者さんの頭痛の経歴・状態をきちんと把握してくれて、
どうして頭痛が起こるのか
頭痛の頻度・程度を下げるためにどうすればいいのか、を
きちんと説明してくれる医療機関を受診しましょう。

「片頭痛・ストレス・肩こり」という説明だけでは、困っている患者さんの頭痛の頻度・程度は減りません。

肩こりを感じる人でも、時によっては肩こりを感じにくくなったり、逆に強く感じたりする時間がよくあります。なにかに一生懸命になっていて交感神経が緊張している時間帯よりも、それが終わって一息ついた時間帯(交感緊張が緩む時間帯)の方が肩こりは強く感じる傾向があります。このように交感神経緊張が続いていたあとに緩むときをここでは「脱緊張期」と呼ぶことにします。

この交感神経緊張による「肩こり」は自律神経症状でもありますので、次のような自律神経症状を伴う人も多いようです
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緊張性頭痛は「脱緊張期」に多い

緊張感をもった生活が持続して、それが終った時に頭痛が起こりやすい

1日の中では起床時または夕方から夜、1週間では週末など
1年の中でも「張りつめていて、ひと段落した脱緊張期」

成人では
仕事の忙しさ、緊張感・責任感
仕事の決算、大事な会議、出張などが終ったあと

脱緊張期

張りつめていた仕事が終わった後、時期
趣味や遊びの緊張感
家事の忙しさ
家族の行事・集まり(女性)
子供を通じた活動(女性)
家族の病気や介護・法事など
主婦では、お盆や年末年始の行事のあと、子供の病気が治ったあと、子供の夏休みあけなど

脱緊張期

一生懸命にやっていた行事が終わった後、時期
日常的に睡眠・休息をとらない緊張感の高い生活
仕事・育児・高校生の弁当作り・介護などによる睡眠不足
これら生活の緊張感に反応して、眠れなくなる人
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典型的な肩こり頭痛のケース

患者さんの話を総合した架空の話です。

24歳男性、会社員
  ・就職してから、肩こり・頭痛がおこるようになった
  ・夕方から夜や、週末に頭痛がおこりやすい
  ・遊びや仕事で毎日1時過ぎに寝て、朝6時には起きる生活。
  <原因>就職して朝が早くなったのに、大学生時代に染みついた夜更かしの癖を治さなかった

34歳女性、会社員
  ・2人の子供がいてフルタイムの仕事
  ・仕事、育児、家事と休む暇がない
  ・11時過ぎに寝ようとするが寝付けない、眠りも浅い
  <原因>もともと不安感が強く、忙しさ・心配事などの生活因子に反応して高ぶって眠りにくくなる。

40歳女性、専業主婦
  ・中学生と高校生の息子がいる
  ・上の子が高校に入ってから、肩こりをよく感じ、頭痛が時々起るようになった。
  ・子供が夏休みに入ったとたんに強い頭痛
  <原因>高校生の弁当作りのために朝が5時起きと早くなったのに、就寝時間は12時過ぎのままにしていた。

45歳男性、自営業
  ・独立起業して5年目、最近頭痛がおこるようになった
  ・夜間浅眠傾向、早朝覚醒あり、疲れているけど熟睡できず、昼間無性に眠い時間がある
  ・起業以来ずっと休みを取らずに頑張ってきた
  <原因>事業が軌道に乗ってきて、数年間張りつめていた気持ちに安心感がでてきた

このように緊張性頭痛の要素を含む頭痛の多くが、生活・仕事環境の緊張感が続いた後の「脱緊張期」に起こっていることが多いようです。
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仕事だけでなく、非日常的な行事や遊びも頭痛の原因になる

行事に高揚して眠れなくなる人
昔から遠足の前は眠れない
旅行に行くと寝付けない
心配事があるとすぐに眠れなくなる

もともと心配性傾向がある方は、遊びの行事がおわったときにも肩こり頭痛がおこることが多いようです。


イベントがあると緊張感で覚醒しやすい人

生活・環境因子に緊張感・不安感を持ちやすい人が多く、もともと何かイベントがあると眠りにくくなったり、目が覚めやすくなったりする人が多いようです。

こういう浅眠傾向や緊張感が持続して終わったとき、脱緊張期に頭痛がおこることが多いようです。


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朝寝坊すると頭痛がする。「長時間寝ると悪い」という誤解

休日に朝寝坊すると頭痛がおこると訴える人が多いようで、この方々は「寝すぎると頭痛が悪くなる」と思い込む人がいます。そうではなく、『普段寝ていないから、長時間寝ただけで「脱緊張期」となり頭痛がおこるのです』

毎日十分な休息を取っていれば、週末の朝寝坊による頭痛は少なくなります。しかし、平日に仕事や家事が忙しく睡眠が短いのに、早くに眠れる週末でも「いつも起きている時間まで」眠らずにいる人がほとんどです。つまり、常に睡眠・休息をとることを後回しにする価値観をもっていることが原因になっています。

肩こり頭痛の方は、普段から睡眠時間が6時間未満である方が多い印象があります。平日24時を超えて寝る日が多い方は、早く眠れる平日や週末ぐらい9時、10時に就寝しましょう。そうすれば、肩こり頭痛がおこる頻度・程度は減るはずです。
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では毎日どのくらい休息・睡眠をとればいいのか?

基本的に昼間に眠い時間がないくらい毎日しっかり休息を取りましょう。日頃、昼食後や乗り物に乗った時に眠くなる方は、睡眠が足りていないか、または何らかの理由で眠りが浅い方です。

まず基本スタイルとして睡眠を削って何かをするという考えをやめることが大事です。睡眠時間には手を付けずに他の時間を調節してやりくりしましょう。

頭痛を減らしたければ、やむを得ず普段遅くなる日があるのなら、9時や10時など早く寝る日も作る。週末は先に寝るという意識をもって過ごすことが大事です。

休日はなによりも早寝をして睡眠を先にとりましょう。平日24時近くに寝る人は、いっそのこと週末は21時ぐらいに寝るなど、朝寝坊(実は夜更かしで、睡眠の後回し)はやめましょう。早寝の習慣を身につけると肩こり頭痛の頻度・程度は半減するはずです。
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生活スケジュールの見直し

肩こり頭痛をおこす睡眠が短い生活をしてしまう原因として、生活にたくさんのスケジュールを詰め込んでいる人が多いようです。

自分で忙しくする

「あれもしなきゃ」、「これもしなきゃ」と気ぜわしく、休まない生活をしている人が多いようで、その緊張感の後や合間に頭痛が起こることが多いようです。「時間が空くともったいない」と考える人も多いようです。


周囲の人がみるとそこまでやらなくてもというような、「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」という生活になっている方をよく見かけます。仕事・育児・家事などで忙しいのは理解できますが、休息する時間を確保するためにどこを削るかということを考えてみましょう。

日常的に仕事や家事が忙しいときは、休日には予定をいれずにしっかり休む。その日起きたときの気分で過ごす。休日に必ずなにか行事がないと気が済まない人も肩こり頭痛を起こしやすいです。

基本的に「やってもやらなくてもいいことは、やってしまうのではなく、やらない」という選択肢を取りましょう。時間が空くとすぐに予定をいれたがるやや不安症気味の方も多いですが、「退屈を楽しむ」ぐらいの日を週に1回は作りましょう。
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中高年になってからおこってくる肩こり頭痛

中高年以上では漠然とした不安感も原因になります。
  大きな病気をした後に日常的に身体不安が強くなって眠りが浅くなる、肩こり・頭痛が出てくる。

独居や高齢で将来に対する不安が強くなり、眠れなくなっている、眠りが浅くなり夜中に何度も目が覚める
 ・大きな不安はなくとも、誰でも年齢をかさねると不安感は強くなります。
 ・眠りが浅い状態が続いても肩こり頭痛が出てきます。

意外と多い、頭痛の原因としての配偶者の干渉
 ・退職して家で一緒に過ごすことが多くなった。パートナーが口うるさい、生活に干渉しすぎる。
 ・これらを我慢して聞いている緊張感

睡眠薬をもらっている方も多いようですが、睡眠薬をつかっても眠りが浅い人はすくなくありません。こういう方は睡眠薬よりは抗不安薬の方が眠りやすくなり。頑固な肩こり頭痛が減る傾向があります。
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強い肩こり頭痛に伴う自律神経症状

強い肩こり頭痛には交感神経系の強い関与がありますので、以下のような他の自律神経症状を自覚されている方が多いようです。

立ち眩み感、頸部筋刺激による動揺感・めまい感

起立性低血圧・メニエール病といわれることが多いですが、末梢性めまい・頚性めまいと表現した方がよいでしょう。

普段から肩こり頭痛にくわえて、上を向いたり、かがんだり、振り返ったりしたときにフラッとした動揺感を感じる方が多いようです。

貧血・低血圧と思い込んでいる方もおられますが、貧血・低血圧症は「脳に十分な血液が循環しない」という病態ですので、頭位が変わらない振り返っただけとか、頭位がさがるかがんだときには症状は出ないものです。

メニエール病・頭位めまいでは頭痛が起こる理由が説明できません。

安静時の動悸、安静時の胸部絞扼感


動悸をはっきりと感じる割に、検査をしても異常はないといわれる。
 ・心臓神経症などといわれ、抗不安剤を処方されることも多いです。

・胸を締め付けられた感じ、息苦しさを伴う
・症状が強くなると、息ができていないような感覚が生じ、
   無理に息をしようとすると過呼吸発作を起こす人もいます。

心電図をしらべても異常がないときには不安による自律神経症状であることが多いようです。

お腹が張ったり、下痢をしたり

肩こり頭痛以外に、しばしばお腹が緩くなったり、腹部の張った感じがでたり、お腹が痛くなったりする方がいます。

症状が強いと過敏性腸炎といわれることもあります。

肩こり頭痛と同じように、生活・環境に緊張感をもった合間や後に腹部症状がでる方が多いようです。


不眠・浅眠
  ・寝ようとしてもなかなか寝付けない
  ・夜間に何度も目が覚める、覚めやすい
  ・朝早く目が覚めてしまう。

体や顔面の紅潮感、四肢の冷汗

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これでも頭痛が減らない人は・・・

ここまでで70%ぐらいの方の肩こり頭痛は減りますが、残りの30%ぐらいの方の肩こり頭痛は減りません。このような方こそ頭痛専門医を受診し、頭痛を減らすための相談をすべきだと思います。ただし、専門医にもいろいろな方がいます。「痛いときの頭痛薬」だけが頭痛の治療ではなく、「頭痛を起こらなくする」ことが本当の頭痛の治療です。このような方は「頭痛薬や予防薬といわれる薬」を処方されるだけでは不十分で、頭痛の背景にある生活・心理的要因まで聞き取ってくれ、頭痛の頻度・程度をを減らすためのきめ細やかなアドバイスをもらえる専門医を選びましょう。

次のような慢性頭痛の方は専門医受診を勧めます。
子供・学生のころから頭痛があった人。中学生・高校生・大学生からが多いですが、ときには小学生から、極端な例では未就学時期から頭痛があったという人もいます。また、成人でも家事・仕事を休んで寝込んだりすることが多い頭痛には単に環境要因だけでなく、社会心理的・内因性の要因があることも多いようです。

頭痛の減らし方: 大人の慢性頭痛 も参照ください。

頭痛の減らし方: 小児の慢性頭痛 も参照ください。

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引用される方へ:このサイトの内容は文化庁へ第一公表年月日を登録しています。
引用時には事前に連絡の上で、以下のクレジットを明記・表明ください。

頭痛の減らし方:稲村孝紀 文化庁第一公表日登録:2017年10月20日(第37992号の1) https://www.inamura-clinic.com

このページの要旨は第36回日本頭痛学会(2008年11月14日-16日)、東京で発表しました。

稲村孝紀、他:1919例の一次性頭痛の心理社会因子-Prospective Study- 第36回日本頭痛学会(2008年11月14日-16日)東京
稲村孝紀、他:思春期初発頭痛の要因としての「社会・対人過剰適応」およびその治療 第36回日本頭痛学会(2008年11月14日-16日)東京
稲村孝紀、他:未就学児の頭痛17例 第36回日本頭痛学会(2008年11月14日-16日)東京
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