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医療法人

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脳について

脳について

脳の解剖と働き

大脳

脳の大部分を占めるのが大脳です。前方から前頭葉、頭頂葉、後頭葉にわけられ、側面に側頭葉があります。部位によって役割が異なっています。すべてのほ乳類動物は脳組織を持っていますが、人間は前頭葉が発達しているのが特徴です。

大脳を側面からみた像

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右脳と左脳

 大脳は右半球と左半球で機能が大きく違います。一般的に言語中枢がある方を優位半球、ない方を劣位半球といいますが、左右で機能が分かれているだけで、どちらが優れているとか、劣っているという話ではありません。

 通常右利きの人は、99%左側が優位半球ですが、左利きの人右側が優位半球であることもあります。ほとんどの人が右利きですから、優位半球は左側である可能性が非常にたかいのです。優位半球は生まれたときから決まっているようです。

 では生まれたときは左利きで、幼少時に右利きに直したひとはどうなるのでしょうか。幼少期に無理に右利きに直しても優位半球は変わりません。実際は、右利きに直しているのではなく、右手を使うように教育されただけなのです。

 幼少時に左利きを直されると、自分でも利き手を直されたことを覚えてない人がいるかもしれません。右利き、左利きの簡単な見分け方は、字を書く手、お箸を使う手、包丁を使う手、ボールを投げる手、はさみを使う手などがどちらかでわかります。生来右利きの人はすべて右手です。左利きを矯正されたひとは1つか2つは左手であることが多いようです。あなたはどっち?
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前頭葉

前頭葉

大脳の一番前にある部分です。
 優位半球(通常は左)の前頭葉前半部は、思考、自発性(やる気)、感情、性格、理性などの中心です。病気や怪我で優位半球の前頭葉が障害されると、これらの機能が低下します。具体的には、几帳面な人がだらしなくなったり、幼稚になったり、極端な例ですと目はあけているけど一日中ぼーっとしてなにもしない状態になります。

 こどもから大人への成長の過程で前頭葉が発達してきます。成長につれて幼稚さがなくなり、思慮深くなってゆくのは前頭葉が発達してくるからです。一説によれば前頭葉の発達は成人になってからも続くといわれています。体の成長は10才代の前半で終わりますが、脳波検査でこどもの脳波から大人の脳波になるのは10才代の後半になってからです。一方、劣位半球の前頭葉前半部はなにをしているところかわかっていません。病気や怪我で劣位半球の前頭葉前半部が失われても、症状はなにも出ないことがほとんどです。
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言語野

優位半球の前頭葉の下の方には、言語中枢があります。 とくに話すことに関わる機能があり、この部分の障害で、言葉の理解はできても言葉が話せなくなります。これを失語症といいます。

言語野

優位半球(通常左)前頭葉の側面に運動性言語野(話す)があり、その後方の側頭葉に言葉を理解する感覚性言語野があります。
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運動野

両側の前頭葉の後半部は体を動かす運動野(うんどうや)という部分があります。

運動野

 手足を動かす命令はここで出されて、脳の中をとおり、脊髄を経由して、手足に送られます。この命令が通る道は途中で左右が交叉して、右側の運動野は左半身を、左側は右半身を支配しています。病気で右の運動野が障害されると左半身が動かなく(麻痺)なります。この運動野は脳の上から下へ、足、手、顔の順に、逆立ちをしたように並んでいます。細かい動きを要求される、手の指などの部分の運動野は広く、粗大な動きの体幹に近い筋肉を動かす運動野は狭くなっています。
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側頭葉

大脳の横の部分です。目の後ろ、こめかみから耳の後ろぐらいまでの範囲です。

側頭葉

優位半球(通常左)の側頭葉上部には言葉を理解する部分があります。 劣位半球の側頭葉には言語に関する部分はないようです。

優位半球側頭葉にある感覚性言語野

この部分が障害されると音は聞こえていても言葉として理解できなくなります。いわば知らない音楽や外国語を聞いているような状態です。
 側頭葉の内側には記憶や本能・情動に関わる部分があります。記憶に関わる部分として海馬(かいば)と呼ばれる部分があり、形がタツノオトシゴに似ているのでこの名前がついています。海馬が障害されると記憶の保持が難しくなります。病気や怪我で海馬が障害されると記憶が苦手となり、何でもすぐに忘れてしまいます。海馬はアルコールに弱い部分です。酔っ払うと海馬の機能が低下して記憶を保持できなくなります。痛飲した後にちゃんと家に帰ってきているのに、どこをどう通って帰ってきたか、なにをしたかなにも覚えていないというは、アルコールで海馬機能が低下したために起こることです。

 健忘症という、突然記憶ができなくなる病気がありますが、海馬が責任病巣と考えられています。
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頭頂葉

頭頂葉は頭のてっぺんのやや後ろの部分です。外界の認識に関わる部分です。頭頂葉の前部には、顔・手足をはじめとする体全体からの感覚情報が集まる部分です。

頭頂葉

感覚野(かんかくや)といって、上のほうから足、手、顔の順に前述の運動野と平行に並んでいます。
 敏感な指先などの部分の感覚野は広く、背中など感覚が鈍い部分の感覚野は狭くなっています。この感覚野で集めた情報を頭頂葉全体で処理して、触った物などを認識しているようです。たとえば、ポケットに入れた小銭を手で触って、見なくても100円玉などがわかるのは、指先の感覚情報を頭頂葉で処理して、100円玉と認識できるからです。後述する後頭葉からの視覚情報も頭頂葉で統合されて、外界の認識を行っているようです。
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後頭葉

後頭葉は物を見る部分で視覚野(しかくや)があります。

後頭葉

 目から入った光の情報を眼球の網膜が電気信号に変換し、視神経を通って後頭葉に伝えられます。後頭葉に入った光情報は頭頂葉と協力して処理され、人の顔や物の形などを認識しています。特殊な方法で後頭葉を電気刺激すると、実際に光がみえるようです。
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高次脳機能

側頭葉が音を言葉として理解したり、頭頂葉が手足の触覚情報や後頭葉の光情報を統合して処理して物を認識したりすることを高次脳機能といいます。
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小脳

小脳は手足のなめらかな動きや体のバランスをとるための筋肉の無意識の動きをコントロールしています。このなめらかな動きのことを協調運動といいます。
 小脳には手足の動作の一連の動きがプログラムとして保存されています。食事をしたり、歩いたり、すべての動作には手足のたくさんの筋肉をうまくなめらかに使わなければなりません。お箸を使う動作ひとつをとってみても、人差し指をこのくらい動かして、親指にこのくらい力を入れて、中指に・・・、とだれも考えながらお箸を使っている人はいません。目的のある動作に関わるたくさんの筋肉の力の入れ具合をプログラムとして小脳に収納して、必要に応じて使っているのです。

小脳

小脳は後頭部の下で首との間ぐらいにあります。
 すばやく、効率よく動くことを要求されるスポーツをするためには小脳の働きが欠かせません。練習で一連の動作を繰り返すことで、その動作のプログラムが小脳に入っていくのです。初めてスポーツをするときは皆ぎこちない動きしかできませんが、練習を重ねるに従って無意識に滑らかに動けるようになります。スポーツの練習とは小脳にプログラムをインプットすることなのです。おとなになっても小脳へのプログラムのインプットはできますが、脳が発達途上にある小児の間はこのプログラムのインプットが容易なようです。どんなスポーツでもこどもの方が覚えが早いことはみなさんご存知でしょう。また、「昔とったきねづかで・・・」ということばがあるように一旦プログラムされたものは、長い間使わなくても残っているようです。長い間自転車に乗ってなくても、自転車にのれますよね。

 また小脳はアルコールに弱いようです。酔っ払うと千鳥足になるのは小脳の機能が低下して体のバランスを保つための筋肉の動きがぎこちなくなるためです。
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脳幹

脳幹は大脳と小脳・脊髄の間にあります。

脳幹

上から中脳・橋・延髄という部分から構成されます。
 大きさはおとなの親指より少し大きいぐらいですが、大脳からでるすべての命令や、大脳に向かうすべての情報が通るところです。中脳・橋は意識の覚醒にかかわっており、障害されると目が覚めなくなります。延髄には血圧・脈拍・呼吸などを調節しているところがあり、眠っているときも呼吸できるのは延髄が働いているからです。

 脳死というのは脊髄をのぞくすべての脳の機能がなくなった状態です。脳死で血圧・脈拍・呼吸を調節している延髄の機能がなくなると、呼吸はとまりますが自動能(自動で動くことができる)がある心臓だけはしばらく動き続けます。しかし、心臓はともかくほかの臓器を調節している脳からの調節刺激がなくなるために人工呼吸を行っていても数週間内に心臓は停止します。
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脊髄

 脊髄は脳幹から続いた部分で、首から腰近くまである縦に長い組織です。脳とつながっていて脳の一部でもあります。脊髄の太さはおとなの指ぐらいしかありません。脳からくる命令を手足へ中継したり、手足からくる感覚情報を脳へ中継しています。
 縦に長い組織ですから、一部分が障害されるとその部分より以下の機能がなくなります。
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脳を護るしくみ−血液脳関門−

脳は再生しない・再生している?

年齢と脳

脳のミニ知識

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