学生時代から頭痛がある方は上記のうち対人関係に反応しやすい傾向があり、社会人になってから頭痛がある方は役割や仕事に過剰適応しやすい傾向があります。ただし、両方の因子・傾向を持っている方は少なくありません。
この慢性頭痛は自分で心理・行動を抑制すると頭痛が減じることが多いようですが、自分を客観視できない場合や、自己抑制がきかない若い人などはなかなか理解できないようです。
対人関係に過剰に適応しやすくて頭痛が増えている方は、慢性の緊張感が他者を意識しすぎている事で生じており、職場や人が集まるところで
雑談が多い時間帯があると疲れやすく頭痛が出やすくなりますので、
休み時間は苦手な人からは距離を取っておく、自分からはしゃべり出さない、人の愚痴を延々と聞かない、愚痴っぽい人や干渉してくる人が寄ってきたら仕事があるふりをして私生活にかかわる雑談にならないようにするなどがポイントです。私的な話になると、愚痴を延々と聞かされたり、干渉されやすいので、なるべく仕事の話だけをするように心がける事もポイントです。職場ですから働いている理由も生活環境も人それぞれで、仕事が一緒にこなせればそれ以上でも以下でもなく、挨拶をきちんとできれば
「職場で人に合わせて過剰に仲良くしてあげる必要はなく、職場を盛り上げる必要もない」ことに気づく必要があります。
職場には仕事をしに行く、他者と合わせすぎない、仲良くしすぎない
対人関係に過剰になって頭痛がでやすい人は、職場や人が集まる場所で、「人が騒いでいるところに寄っていかない」「苦手な人からは距離をとる」行動が頭痛を抑制します。
職場では「仕事をきちんとできればよい」「礼儀は正しくするが、職場ではしゃがない、仲良くしすぎない」ことが頭痛を減らします。
職務・役割に過剰になって頭痛が増えている方は、
100点満点を目指さないことがポイントです。自ら「80点はマイナス20点」と減点法で感じやすい人も多く、このために職務・役割を過剰・完璧にやろうとして慢性の緊張感を持続してしまいがちです。しかし、人それぞれ価値観は異なり集団の中では10人もいれば2,3人からは何をしても否定されることが普通です。どのように完璧に仕事をやっても全員を納得させられるはずなく、
100点満点があるはずという意識で過剰になっていると、いつまでも「達成感のない慢性の緊張感」が持続して頭痛が増えてしまいます。不安感もあり、頼まれたことに先回りしてプラスアルファを加えて仕事をする人が多いのですが、しばしば先回りした部分で空振り、徒労感が出てしまうこともあります。物事の見方はいろいろで同じことが人によっては100点に感じられたり、0点に感じられたりするのが人間社会です。
頼まれたことに先回りしたプラスアルファをつけずに頼まれたことだけをこなす、60点ぐらいが良いという意識で役割に対処すると、
「達成感のない慢性の緊張感」が減じて頭痛も減ることが多いようです。
また、「なにかがあると睡眠を削ってでもやろうとする」人が多いので、睡眠・休息をとることが後回しになりやすく、このために直接頭痛が増える方も多いです。
「日常はなにがあっても睡眠・休息はけずらない。残りの時間でやりくりする」という価値観をもって生活するのもポイントです。睡眠を削るのは家族の病気など人生の一大事の時だけにした方がよいです。「仕事も人生の一大事」といわれるとこの慢性頭痛は減らせません。
生活は抑制的に
毎日十分な休息をとることは頭痛の予防です。
「寝ることを削って何かをする」のではなく、「寝る時間はけずらない」という意識で生活することが頭痛を減らします。頭痛で困ることが多い人は毎日7時間以上の睡眠を心がけましょう。